今では昔の話となりましたが、かつては私たちのようなリフォーム業界は、「お客さまの知識量が少ないのをいいことに、必要でもない工事を高い値段で売りつける悪徳業者」だと考えられていた時代がありました。 もちろん、大多数の業者は誠実にお客さまのためを思いサービスを提供していたのですが、一部の業者がお客さまに対して誠意を持って対応していなかったということは事実としてあり、
私達も同じ業界にいるものとして大変心を痛めておりました。 時は流れ、国の指導や業界の自浄努力、そして何より、インターネットの普及によってリフォームに関しての大量の情報をお客さまが容易に入手できるようになりました。 これにより今では、お客さまが一方的に不利益を被るような事態は、急速に改善されてきていると私は考えています。 大手リフォーム会社が提供しはじめ、最近認知度の上がっている、住宅の屋根外壁診断サービスなどもこのような状況に寄与していると考えられます。 屋根リフォーム工事について言えば、私は次のようなことが、業界の最大の目標ではないかと考えております。 お客さまの住宅に対して、一定以上のスキルを持った人間が適正に状況を判断し、適正な商品(工事)を適正な価格でお客さまにご提案し、お客さまもご納得のうえで、ご自宅の寿命を伸ばすための工事を確実に施工すること。 そして、それを日本中のどのような業者でも安定的に、ご提供できることです。 そこにたどり着くために、お客さま側、そして私たち業者側も、あと一歩の前進が必要ではないかと私は考えました。 お客さまには、自分のお住まいをしっかりメンテナスすることの重要性、そしてそのための対処とタイミング、また、どのような業者であれば対応ができるのかという知識を持っていただきたい。 そして業界側は、それをお客さまに正確にお伝えするための屋根外壁工事についての正確な知識、診断基準、提供可能な商品、正確な施工方法をいま一度自社の中でしっかりと確立できるようにする。 この両者のもう一歩の歩み寄りで、お客さまは、これからの新しい時代に自分の住まいを長く維持し、自分らしいライフスタイルで一生を送ることができる満足感を得られ、業者側はお客さまに喜ばれ信頼されるという何よりの喜びを得ることができると思うのです。
今回私達が企画している新規事業は、「屋根外壁リフォームシステム(仮称)」ボランタリーチェーン(VC)事業です。
ボランタリーチェーンということばは耳慣れないかもしれませんが、これは、フランチャイズチェーン(FC)と非常に似た仕組みです。
商品の企画開発、加盟店募集管理、商品の提供、ブランディングを行う本部が存在するのはFCと一緒です。
しかしFCが、ひとつの事業会社が指導的な立場で本部を運営するのに対し、今回の検討しているVCは、私どものような同じ事業を行う加盟店がいくつか集合して本部を組成し、それを核として事業を展開するというものです。
これにより、より現場に近い立場からの商品企画開発、共同仕入れによるコストの削減、FCのように画一的でない、各加盟店の個性を尊重した店舗展開などが可能となります。
簡単に事業の概要を図示すると以下のようになります。
初めて参入するリフォーム業者でも施工可能な屋根外壁リフォームのパッケージ商品の企画開発 一定基準で住宅の診断、商品説明、施工管理ができるアンチエイジング技師の認定、育成と教育 統一されたブランディングとインターネットを中心とした市場認知、案件紹介システムの構築 高品質と適正納期で確実に施工が可能となる施工管理システムの開発と提供 上記一式を長期安定的に提供し、共存共栄が可能となるボランタリーチェーンシステムの構築 当事業の目的は、先程お伝えしたように、お客さま、リフォーム業者とも後一歩足を踏み出し、お客さまには本当の住宅理解と安心の改修の実施、業者にはそれを提供できるスキルとノウハウの伝達による事業拡大と顧客満足獲得。
そして、その先に日本がこれから迎える激しい社会環境の変化に耐えうるサステナブルな住環境の実現にあると考えております。そのため、当事業を簡潔に表現したコンセプト、またその事業によって私達がやらなければならないと考えているミッションを次のように定義しております。
事業コンセプト 加盟店1社に最低1人の住宅のアンチエイジング技師を育成し、日本全国のお客さまの家に最適なメンテナンスを提供する 顧客視点に立ち、お客さまに納得いただける屋根外壁リフォームを提案、施工する住宅アンチエイジング技師を育成し、お客さまの住宅寿命伸延&業者の信用力&収益力をアップします。
事業ミッション 高品質外装リフォームの安定的な供給 お客さまの住まいの寿命を保つために必要な人材の育成と商品の開発を継続し、全国どこでも同一、高品質の屋根外壁リフォームを提供できるネットワークを構築します。またそれにより、日本の住環境改善に貢献します。 最近は国連でもSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)という世界共通の目標を掲げ、現在、あるいは今後世界規模で発生するであろう人類共通の課題について、各自自分のこととしてとらえ解決策を念頭にさまざまな活動をすることを推進しております。 資源、エネルギー、安全、働きがい、気候変動、まちづくりなど、私たちがこれまでミクロの観点で関わってきた日本での家づくりやリフォームが、これからは世界的な課題に繋がっていくことが想像されます。 たかが外装リフォーム、ではありません。そこには、人間らしく住み続けること、安全な暮らしを継続すること、資源を大切にすること、エネルギー問題に取り組むこと、街を活性化すること、いろいろな要素が絡んでくるのです。 住宅をお持ちの方には、ぜひ「そのお住いを大切に、長持ちさせるように一緒に考えましょう」 リフォーム業者の皆さまには「お客さまの満足と住宅環境のサステナビリティの実現のために共に力を合わせましょう」と伝えたいと思います。 この事業が創出される前と後では日本の住宅環境がまったく変わっている、そんな事業を作っていきたいと考えております。